こんにちは、田代です。
「投資セミナー」って、参加されたことはありますか?
あるいは、「ちょっと気にはなってるけど、なんとなく怖くて…」という方も多いかもしれません。
私は、あります。
もう何年も前のことですが、ある不動産投資セミナーに足を運びました。 場所は都内のホテル。
テーマは—— 「フィリピン・マカティの高級コンドミニアム投資」。
冷やかしのつもりだった
当時の私は、金融機関で投資の実務を担当していたこともあり、 いわゆる「投資話」には、そこそこ免疫がありました。
だから正直、最初は**“冷やかし”のつもり**でした。
「どうせまた、よくある話でしょ」と、軽く見ていたんです。
「ちょっと話のネタになればいいかな。」とかそんな気持ち。
もちろん、投資するつもりなんて一切なし。
ところが—— 実際にその会場に足を踏み入れてみると……
まさか自分が!?完全に空気に呑まれたった…
受付を済ませて会場に入ると、そこはもう**“買わせる空気”**ができあがっていました。
壇上では、プレゼンターがこう畳みかけます。
「マカティといえば、東京で言う銀座のような場所です」
「今後、人口は右肩上がり。賃貸需要も確実に増えます」
「今回ご紹介できるのは、現地の開発業者から特別ルートでもらった案件」
「このチャンスを逃すと、もう二度とこんな優良物件は出ません」
場内からは感嘆の声やうなずきが漏れ、 司会者も「これは今日お越しいただいた方だけの特典です」と煽る。
最初はちょっとした冷やかし…のつもりだった。
でも・・・
「これは、いいかもしれない」
「確かに、先に動いた人だけが利益を得るのかもしれない」
そんな思いが、ふっとよぎる。
・・・気づいたら、自分自身が前のめりになってるじゃないかぁぁ!!!
とはいえ、頭の片隅には疑問もありました。
「本当に入居者は付くのか?」
「管理は?トラブルが起きたらどうする?」
「出口のリスクは大丈夫か?」
完全に飲み込まれる寸でのところで、私はかろうじて、
「ちょっと具体的に検討したいです。資料、持ち帰らせてもらえますか?」
と伝え、契約はせず、その日は一旦持ち帰りました。
判断を誤らずに済んだのは、信頼できる人の声
後日、ふと思い出して、知人に連絡を取りました。
実は、マカティの郊外に数年住んでいた日本人と“たまたま”知り合いだったのです。
事情を説明し、「この話、どう思う?」と聞くと——
開口一番、返ってきたのはこうでした。
「やめとけ。絶対に。」
理由を尋ねると、返ってきた言葉に、私は絶句しました。
建ったはいいが、入居者が全然つかない。
日中は太陽に照らされてきらびやかにそびえ立っている。
でも、夜になると明かりが全くつかず、ゴーストタワー状態になっている。
そんな物件だらけだ。
管理会社もずさんで、貸すにも貸せず、売るに売れず、 困り果ててる日本人がいっぱいいるんだよ。
その一言で、すべてが腑に落ちました。
あの時、踏みとどまれてよかった
今思えば、「買わなかったこと」が一番の投資だったと思います。
もしあのままサインしていたら……と考えると、正直ゾッとします。
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“熱気”は、判断力を奪う。
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私はなんとか冷静になれましたが、それは金融・投資のプロとしての経験があったから。
でも、そういった知識や経験がない人が、あの空気の中で冷静さを保つのは、簡単なことではありません。
いちばんのリスクヘッジは、“人”
だからこそ、いま強く思うのです。
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何を知っているかより、 誰に相談できるかが大切
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ネットには情報があふれています。
でも、必要なのは「自分にとっての正解」を一緒に考えてくれる誰か。
私は、そんな存在になりたいと思っています。
不動産のこと、相続のこと、将来の不安や迷いのこと。
「ちょっと聞いてみたい」と思ったときに、 気軽に相談できる相手として、寄り添っていきたいと考えています。
最後に
今回はちょっと異色の話でしたが、 **「選択を迫られる場面で、冷静さを保つ」**というのは、 投資だけでなく、不動産の整理や相続、人生のあらゆる局面でも同じです。
迷ったら、まずは話してみてください。
力になれることがあるかもしれません。
また、こういう話も書いていきますね。