資産整理

まっとう式・家の整理 第8話:松戸市での不動産売却を成功させるための「人選び」の極意とは?

家を売るなんて、多くの人にとっては一生に一度あるかないかの大仕事です。

相続で受け継いだ実家を整理することもあれば、子どもが独立したから住み替えようという人もいる。あるいは、離婚や転勤といった人生の転機に迫られて…という場合もあります。

金額は数千万円単位。しかも、そう何度も経験することはありません。
だからこそ、多くの人はとりあえず──

  • 「大手なら安心かな」
  • 「一番高い査定額を出してくれた会社が信頼できるはず」

と考えるわけです。

でも、実際に現場で起きているのはその逆。
売却の成否は“どの会社か”ではなく“誰に任せたか”で決まる。
これに気づかないまま走り出すと、あとから「こんなはずじゃなかった」と後悔する人が少なくないのです。

目次


なぜ、「モノ査定」より「人選び」なのか

「不動産を売却する」とひとことで言っても、会社や担当者の“構え方”によって、その意味合いはまるで違います。

モノとして捉える場合

多くの会社は、不動産を“モノ=商品”として扱います。
物件を市場に並べ、いかに早く売り捌くか。
案件をこなすこと自体が目的になり、契約が済んだ時点で「はい、完了」という姿勢です。

この場合、売主の背景や事情は二の次。
「会社の都合」「営業ノルマ」こそが優先されやすく、売却後の生活や相続まで踏み込んで考えてくれることはほとんどありません。

コトとして捉える場合

一方で、不動産を“コト=資産課題の解決”として捉えるスタンスもあります。
この場合、家を売ること自体は手段にすぎません。
本当の目的は「売却を通じて、お客様のこれからをどう支えるか」。

  • 売却後の生活設計や資金繰り
  • 相続や税務への影響
  • 将来のリスクを避けるための段取り

こうした点まで視野に入れて提案してくれるのが、「コト発想」で動く担当者です。
契約はゴールではなく、新しい暮らしを始めるためのスタートに過ぎない。

なぜ人選びが重要か

実は、物件情報そのものは「レインズ」という共通システムで全社に共有されています。
つまり、“モノ(情報)”の部分に大きな差はないのです。

違いが出るのは担当者の「スタンス」と「力量」。

モノ中心で“さばく”のか、コト中心で“支える”のか。
その差が、最終的に数百万円単位の結果の違いや、売却後の安心感につながっていきます。

だからこそ──
不動産売却で本当に大切なのは、「どの会社か」ではなく「誰に任せるか」
ここを間違えると、取り返しのつかない後悔につながってしまうのです。

レインズで物件情報は共有されるので、モノ(物件情報)自体はどの会社でも変わらないのです。
違いを生むのは、この「モノ中心で考えるのか」「コト中心で考えるのか」という姿勢の差。

だからこそ、不動産売却を成功させるカギは──
「どの会社か」ではなく「誰に任せるか」。
これに尽きます。


松戸市でよくある失敗パターン

実際に松戸市でご相談いただく中でも、「人選び」を誤ったことで失敗してしまったケースは少なくありません。いくつか典型的なパターンをご紹介します。

パターン1.大手に依頼したのに、松戸は後回し

「やっぱり駅前にドンと構えている大手なら安心だろう」と思って査定を依頼。
ところが、その会社の本当の主戦場は柏や船橋。松戸の案件は優先度が低く、後回しにされてしまう…。
結果、反響はあるのに本腰を入れてもらえず、売却までに余計な時間がかかってしまった、というケース。

パターン2.広告は派手だが、実務は弱い

カラー写真やキャッチコピーで派手に広告を打つ。見た目は立派で「すぐに売れそうだ」と思わせる。
でも実際は、買主への紹介や現場での調整が弱く、結局動きが鈍い。
広告費に力を入れていても、中身の実務が伴わなければ意味がないんです。

パターン3.専任を取ったのに、3か月放置

「専任で任せてくれれば頑張ります」と言われて契約。
ところが実際は、最初にちょっと広告を出したきり、その後は3か月も放置…。
「どうなっているんですか?」と売主が問い合わせて、ようやく動き出すようでは遅すぎます。

パターン4.両手仲介優先で、売主利益が犠牲に

不動産会社は「両手仲介=売主・買主の双方から手数料を取ること」を狙いがちです。
そのため、外部の買主から良い条件の申込があっても、自社の顧客が見つかるまでわざと引き延ばす…。
結果的に売主が不利益を被る、ということも現実にあります。

パターン5.「宅建士だから安心」の思い込み

「宅建士の資格があるから安心だろう」と思って任せたのに、いざ話を聞くと知識が乏しい。
税務の質問には答えられず「税理士さんに聞いてください」で終わり、相続のことも「登記できれば大丈夫」程度。結局は“経験と勘”頼みで進められてしまうこともあります。

さらに厄介なのは、担当者自身が宅建士の資格を持っていないケースもあるということ。
不動産会社は「事務所ごとに一定数いればよい」制度のため、実際にあなたの担当になる人が必ずしも宅建士とは限りません。
つまり、売主が「プロに任せている」と思っていても、実際は資格も知識も不十分な担当者に任せてしまっていることもあるのです。

これらに共通しているのは、会社の看板ではなく“担当者の姿勢と力量”によって結果が変わってしまったということ。
松戸市での失敗パターンは、そのまま「人選びの失敗パターン」でもあるのです。


信頼できる担当者の見極め方

「結局は人だ」と言われても、初めての売却ではどう見分ければいいのか分からない──。
そんな方のために、担当者を見極める6つの視点を整理しました。

知識が豊富で、説明がわかりやすい

不動産売却は、単に「物件を売る」だけで終わりません。
実際には、登記・税金・相続・解体・測量…といった複数の分野が複雑に絡み合います。

  • 売却時にかかる税金や特例制度(3,000万円控除・相続税の小規模宅地特例など)
  • 境界や再建築可否といった建築・法務の論点
  • 相続登記や名義変更といった将来の資産整理の影響

こうした幅広い知識をわかりやすく伝えられるかどうか。
単に専門用語を並べるのではなく、「なぜ必要なのか」「どんな影響があるのか」を売主が理解できる言葉に噛み砕いて説明できる担当者が安心です。

さらに、法律や税制は毎年のように改正されるのが現実。
古い知識のままでは売主を誤った判断に導きかねません。
継続的に学び、最新の情報をアップデートし続けているか──その姿勢こそ、担当者を見抜くカギです。

メリットだけでなく、デメリットも伝えてくれる

「高く売れます!」「心配ありません!」と耳触りのいいことばかり並べる担当者は要注意です。
実際には、解体費用がかかる、売却まで時間がかかる、税負担が発生するなどのリスクもあるはず。
耳の痛いことを正直に伝えてくれる人こそ、本当に信頼できます。

レスポンスが早く、誠実に対応する

不動産売却はスピード勝負。
買主から問い合わせが入ったとき、すぐに対応できるかどうかは成約率に直結します。
また、売主の不安や質問に対して、返答が早く、誠実に答えてくれるかどうか。
日常のやり取りの中で、その姿勢は自然と見えてきます。

売主の利益を優先できるか

不動産会社は自社の利益を優先しがちです。
だからこそ、担当者が「会社の利益」ではなく「売主にとって何が最善か」を基準に動いてくれるかが重要。
例えば、両手仲介を無理に狙わず、条件の良い買主をきちんと紹介してくれる担当者なら安心して任せられます。

専門家につなぐ力があるか

不動産売却には、法律・税務・相続など幅広い知識が絡みます。
担当者一人ですべて解決できるわけではないからこそ、信頼できる司法書士・税理士・測量士などと連携し、ワンストップでサポートできる体制があるかが大切です。
「知りません」で終わらせず、「必要なら専門家を紹介します」と橋渡しできる担当者は心強い存在です。

“人柄と安心感”があるか

最後に残るのは、人として信頼できるかどうか。
「この人となら一緒に進められる」と思える安心感があるかどうかです。
数千万円単位の大切な資産を託すわけですから、数字や資格よりも直感的に「任せて大丈夫だ」と思えるかが、最終的には決め手になります。


不動産会社を見極めるなら「Webサイトを必ず確認する」

今の時代、どんな会社でもお金をかければ立派なホームページを作れます。
有名人を起用したり、「安心」「信頼」といったキャッチコピーを並べたり──。
一見すると「ここなら安心できそうだ」と思わせる作りになっています。

しかし、本当に大事なのは見た目ではなく中身です。

見た目は立派でも、中身がスカスカなサイトは多い

たとえば、実際に「松戸 空き家 相談」などと検索してみると、立派なサイトが上位に出てきます。

ところがよく読んでみると、「イメージ広告」としては立派でも、売主にとって役立つ情報が乏しく感じられるサイトもあります。

こうしたサイトは、「会社のブランドで契約を取る」ことに軸足が置かれ、売主の疑問や不安を解消するために情報を発信する姿勢が感じられないものもあります。

「人が見えているか」が最大のチェックポイント

信頼できる会社かどうかを見極めるうえで重要なのは、人が見えているかどうかです。

  • 代表者や担当者の顔・名前が出ているか
  • 誰が責任を持つのかがはっきりしているか
  • 実際の相談事例や解決策を公開しているか

こうした情報が出ている会社は、それだけで「自分たちの仕事に責任を持っている」と言えます。

逆に、当たり障りのない言葉やきれいなデザインばかりで「誰が対応するのか」が見えないサイトは、責任を前に出す覚悟がない会社と考えた方がいいでしょう。

役立つ情報を出しているかどうか

もう一つ大切なのは、サイトに売主にとって本当に役立つ情報があるかどうか

  • 松戸市の制度や補助金についての解説
  • 境界や再建築可否といった現場でよく出る課題の説明
  • 実際の相談事例や解決プロセスの紹介

こうした情報を発信している会社は、それ自体が「売主に寄り添う姿勢」の表れとも言えるのではないでしょうか。

Webサイトは会社の鏡


そこに「人が見えるか」「役立つ情報があるか」で、その会社の本気度は一目で分かります。
当たり障りのない万人受けのコピーばかりで、中身がスカスカなサイトは要注意です。
顔を出し、事例を出し、地域に根差した情報を惜しみなく発信している会社であれば、任せる先として一考に値しないでしょうか。


松戸市で選ぶなら“地元の強み”も見よ

不動産売却は、全国どこでも同じように見えて、実は地域ごとに事情が大きく異なります。
松戸市なら松戸市特有のルールや慣習があり、それを理解しているかどうかで売却のスピードも安心感も変わってきます。

行政とのやり取りに慣れているか

松戸市で不動産を動かす場合、市役所の複数部署との調整が必要になります。

例えば、

  • 建築指導課(建築基準法や再建築可否に関する相談)
  • 下水道整備課・下水道維持課(公共下水道への接続や宅地内桝の管理など)
  • 市街地整備課(開発や道路に関わる調整)

こうした部署とのやり取りに慣れている担当者なら、申請や確認がスムーズに進み、余計な時間やコストを避けられます。

松戸で頻出する“現場課題”に対応できるか

松戸の現場では、次のような課題がしばしば出てきます。

  • 42条2項道路に接している土地(再建築の可否に直結)
  • 境界が未確定なまま長年放置されている土地
  • 再建築不可やセットバックが必要な物件

全国どこでも起こりうる話ではありますが、松戸市は古い住宅地や私道が多いため、特に相談で出てくる頻度が高いテーマです。
この辺りに強い担当者かどうかが、実務力の判断材料になります。

地元の買主ネットワークを持っているか

さらに、地元の買主ネットワークを持っているかどうかも重要です。
松戸市内で家を探している人や、投資物件を探している層とのつながり。
こうした“地元での横のつながり”から、広告に出す前に成約につながることもあります。
大手の広告力も確かに強みですが、地元ならではの紹介ルートも侮れません。


専任媒介 vs 一般媒介

不動産を売却するときに必ず結ぶのが「媒介契約」です。
大きく分けて 専任媒介一般媒介 があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
「どちらにするか」は売却の成否を左右する大きな分かれ道ですが、ここでも結局は人選びが本質になります。

専任媒介の特徴

  • 売主は1社のみに依頼できる
  • 不動産会社は「自分の案件」として責任を持ち、積極的に販売活動を行いやすい
  • 報告義務があり、売主への情報共有もスムーズ

ただし、ここで担当者を誤ると危険です。
「専任だから安心」と思って任せたのに、実際には広告も出さずに放置されることも…。
選んだ担当者の力量や誠実さが、そのまま結果に直結します。

一般媒介の特徴

  • 複数の会社に依頼できる
  • 競争原理が働くため「より積極的に動いてくれるかも」と期待しやすい

しかし現実は、複数社に依頼できる分、どの会社も「自分が成約できなければ報酬ゼロ」と考えます。
そのため「他社で決まるかもしれない案件」に本気でリソースを割かないことも多いのです。
結果として、どこも本気で動かないまま時間だけが過ぎる──そんなリスクを抱えています。

松戸市での最適解は?

松戸市で売却を考えるなら、信頼できる担当者を選び、専任媒介で任せるのが一番スムーズです。
行政との調整や地域特有の課題への対応は、腰を据えて動いてくれる担当者がいてこそ進みます。
「どの会社か」よりも「誰に専任を任せるか」──ここを間違えなければ、売却活動はぐっと前に進みます。


まとめ

不動産の売却は、家や土地という“モノ”を動かす行為に見えます。
けれど、実際には**「モノをどう売るか」よりも「誰に任せるか」**で結果が決まります。

  • 大手の看板や派手な広告に惑わされず
  • 査定額の高さに飛びつかず
  • 実務に強く、誠実に向き合える“人”を選ぶこと

これこそが、松戸市で不動産売却を成功させる最大のポイントです。

Webサイトを見れば、その会社が「人を前に出しているか」「役立つ情報を発信しているか」が一目で分かります。
そして、地元ならではの強みを持ち、行政や買主ネットワークに通じた担当者であれば、なおさら安心です。

結局のところ──
不動産売却を成功に導くのは“会社”ではなく“人”
この視点を忘れないことが、後悔しない売却への第一歩です。

次回予告

👉 次回(第9話)は、いよいよ「売出価格の決め方」について。
「高く売りたい」と「早く売りたい」、相反する思惑をどう調整すればいいのか。
価格設定の考え方と、実際の現場で起きやすい失敗例をお伝えします。

これまでの記事はこちら

第1話:先延ばしの怖さ。父の人工透析から学んだこと

第2話:なぜ家の整理は“いま”必要なのか?

第3話:どうすれば家族で揉めずに整理できるのか?

第4話:不動産売却の流れをやさしく解説【前編】|親の家を売るときの注意点も

第5話:不動産売却の流れをやさしく解説【後編】|媒介契約から引渡しまで

第6話:不動産売却にかかる費用・税金をやさしく整理

第7話:不動産売却でありがちな失敗3選 ── あとで後悔しないために

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