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松戸市・柏市・流山市の空き家解体補助金を比較解説【令和7年度版】

空き家になった実家を解体する際、助金をもらえたら助かるのにな・・・

空き家の解体には100万円単位の費用がかかります。
「少しでも補助制度を使いたい」と考える方も多いでしょう。

ところが、同じ東葛エリアでも「松戸市」「柏市」「流山市」では制度の内容に大きな差があります。

全国的に見ても、空き家問題は年々深刻化しています。
たとえば、市区町村別で最も空き家が多いのは東京都世田谷区で、約5万戸にのぼります。

人口の多い都市部でさえこれだけの数――
千葉県内でも、松戸・柏・流山といった住宅地を抱えるエリアでは、同じ問題が静かに広がりつつあります。

この記事では令和7年度の最新情報をもとに、松戸市・柏市・流山市の3市が実施する空き家解体補助制度を、金額・条件・手続きまで一目で比較できるよう整理しました。

「自分の家が対象になるのか」「いつ申請すれば間に合うのか」など、迷いがちなポイントも分かりやすく解説しています。


補助制度を活用すべき背景・意味とは

ここ数年、住宅や空き家の解体費用は確実に上昇傾向にあります。
以前は100万円台でできた工事が、いまでは150万円を超えるケースも珍しくありません。

背景には、人手不足や建設資材・廃棄物処理費の高騰、さらに2023年から義務化されたアスベスト(石綿)事前調査など、全国的なコスト上昇要因が重なっています。

つまり、同じ家を同じ条件で壊すとしても、1年後・2年後には確実に費用が増えている可能性が高いということです。

このような状況のなかで、市区町村の補助制度を活用することは、単なる「助成金の利用」ではなく、将来的な負担増を防ぐ“価格上昇リスクの回避策”ともいえます。

実際、松戸市・柏市・流山市の各制度では、条件を満たせば最大50万円前後の補助
が受けられる場合もあります。

補助対象や受付時期は年度ごとに見直されるため、「もう少し様子を見てから」では、制度そのものが変わってしまう可能性もあります。

動くなら、今が一番“確実”で“安く済む”タイミングです。

それでは、ここから実際の各市の補助内容を確認していきましょう。
まずは、対象件数の多い松戸市からです。


松戸市:老朽空家等除却費用補助金

松戸市は、空き家そのものの解体に直接補助が出る制度を持っています。
昭和56年5月以前に建てられた古い建物で、1年以上住まれていない空き家が対象です。

  • 補助内容:解体費用の3分の1、上限60万円
  • 条件:市税滞納がない、他の補助金と重複していない、反社会勢力との関係がない
  • スケジュール:令和7年度は7月1日〜8月15日に受付(終了済)、毎年夏ごろが通例

例えば解体に150万円かかった場合、上限いっぱいの60万円が補助されます。
シンプルかつ実用的な制度で、老朽空き家を整理したい人には一番使いやすい仕組みです。

👉 松戸市の制度の詳細はこちら
松戸市の空き家・解体補助金まとめ【令和7年度版】


柏市:空き家活用補助制度

柏市は松戸市とは対照的で、「解体そのもの」には補助が出ません。
市が重視しているのは「壊すこと」ではなく、「空き家を活かすこと」です。

  • 対象:空き家を交流拠点やモデル事業に活用する場合(解体単体は不可)
  • 補助内容:経費の1/2以内、50万円〜300万円
  • スケジュール:交付申請は令和7年10月31日まで、実施は令和8年3月末まで

例えば地域のコミュニティカフェや子育て支援拠点に空き家を改修する、といったケースに補助が出ます。
一方で「ただ壊したい」という人には対象外です。

柏市の制度からは、「空き家を地域資源に転換する」という市の姿勢が強く感じられます。


流山市:ブロック塀除却補助金

流山市はさらに独自路線です。
空き家本体の解体補助はなく、危険なブロック塀の撤去に補助を出しています。

  • 対象:通学路や避難路に面したコンクリートブロック塀等
  • 補助内容:除却費用の8割以内、または塀の面積×3.5万円の低い方(上限30万円)
  • スケジュール:令和7年度は4月1日から受付開始、予算に達し次第終了

松戸市にもブロック塀除却の補助がありますが、

  • 上限20万円
  • 「市長が危険と認めたもの」に限定
    という条件の厳しさがあります。

対して流山市は「通学路沿い」と対象が明確で、補助額もやや手厚いのが特徴です。


3市の比較表

簡単な表にまとめると以下の通りになります。

市町村補助対象補助内容上限額募集時期
松戸市老朽空き家の解体工事費の1/360万円毎年夏(令和7年度は7/1〜8/15)
柏市空き家活用事業経費の1/250〜300万円10/31まで申請、実施は令和8年3月末まで
流山市通学路の危険塀工事費の8割または面積×3.5万円30万円令和7年度は4/1〜、先着順


制度を比較する意味

「松戸に家があるのに、柏市や流山市の制度を見ても意味がないのでは?」
そう思う方もいるかもしれません。

確かに、補助金は物件所在地の自治体でしか利用できません。
しかし、隣接する市と比べることで、自分の市の制度の位置づけや方向性がはっきり見えてきます。

  • 松戸市は「古い空き家を解体して整理する」方向性
  • 柏市は「空き家を地域資源として活用する」方向性
  • 流山市は「防災・安全対策としてブロック塀を撤去する」方向性

こうした違いを知ると、「松戸市は解体補助があるから今のうちに動こう」といった判断がしやすくなります。

さらに、地域全体を俯瞰することで見えてくるものもあります。

「松戸だけでなく柏や流山の制度にも精通している専門家」かどうかは、いざ相談するときの安心感につながります。
空き家や相続の問題は、家族や親族が複数の市に物件を持っているケースも少なくありません。そんなときに、隣市の事情も分かっている専門家は強い味方になります。


参考リンクとご相談窓口

本文で触れた制度や関連情報について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

関連記事(内部リンク)

👉 松戸市の空き家・解体補助金まとめ【令和7年度版】

👉 相続した不動産を売却する流れと注意点

参考情報(外部リンク)

👉 老朽空家等除却補助金(松戸市公式サイト)

👉 空き家活用補助制度(柏市公式サイト)

👉 危険コンクリートブロック塀等除却補助金(流山市公式サイト)


まとめとご相談窓口

空き家の補助金制度は市によって内容がまったく異なります。
「松戸市は解体」「柏市は活用」「流山市は安全対策」と方向性を知ることで、自分の市の制度をどう活かすべきかが見えてきます。

👉 松戸市の制度を詳しく知りたい方はこちら
松戸市の空き家・解体補助金まとめ【令和7年度版】

👉 相続不動産売却について知りたい方はこちら
相続した不動産を売却する流れと注意点

当社は松戸市を中心に、柏・流山など東葛エリア全体でのご相談にも対応しています。
制度の活用から実際の解体・売却まで、まとめてご相談いただけます。

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