資産整理

成年後見と家族信託の違いを比較|松戸で認知症になっても不動産売却できる備え方

施設にかかる費用、どうしようか…

兄のひと言に、家族の視線は父亡き後も母が暮らすマンションへと向かいました。

当面の資金をつくるには、親名義のマンションや自宅を売却するのがいちばん現実的です。
──ところが、いざ動こうとすると立ちはだかるのが、**名義の壁(相続登記の未了)**と、判断能力の低下による手続き不能です。

登記簿を確認すると、名義はすでに他界した父のまま。母は最近もの忘れが増え、契約ごとの判断が難しくなっていました。
その結果、「売りたいのに今すぐ売れない」「施設の初期費用に間に合わない」という“現金化の詰まり”が起きるのです。これは松戸市でのご相談でも頻発している現実です。

では、どう備えれば「必要なときに、必要なだけ、資産を動かせる」のか。

この記事では、難しい条文の説明ではなく、生活者の目線で「成年後見」「家族信託」「任意後見」を**“(ちびまる子ちゃんの)丸尾くん/ルパン三世/五ェ門”**というアニメキャラに喩えて、サクッと把握できるよう整理してみました。

結論から言えば、お堅くて融通が利かない(=丸尾くん的)仕組みだけに頼らず、自由度の高い設計(=ルパン的)を“元気なうちに”用意しておくことがカギです。

※導入のエピソードは、実務でよく起こる状況を個人が特定されないようにデフォルメしたものです。


成年後見制度とは?(法定後見)

成年後見制度(法定後見)は、判断能力が低下した人の代わりに裁判所が選んだ後見人が財産を管理する制度です。

  • 預貯金の管理や入出金のチェック
  • 施設費用や生活費の支払い
  • 不動産の売却や契約の代理(※裁判所の許可が必要)

といった役割を担います。

ただし、ここで注意点。
成年後見は「安心」と言われますが、実際には お堅くて融通が利かない制度 です。

たとえるなら──

  • 会社の総務部のお局さん:書類に不備があれば即差し戻し。「今日は特例で」なんて絶対にあり得ない。
  • ちびまる子ちゃんの丸尾くん:ルール命で真面目すぎ。空気を読まずに「ズバリ!!」と正論を振りかざす。

正しいことをしているのは確かですが、家族が望むスピード感ある資産活用はできないのです。


家族信託とは?

家族信託は、元気なうちに信頼できる家族に「財産の管理・処分」を任せておく契約です。

判断能力が落ちた後も、受託者(任された家族)が財産を柔軟に動かせるのが最大の強み。

  • 裁判所を通さずに不動産を売却して施設費用に充てる
  • 賃貸に出して収益を生活費にまわす
  • 将来の相続を見据えた整理

こうした動きが可能です。

たとえるなら──

  • ルパン三世:状況に合わせて作戦を変える天才。自由自在に動けるけど、仲間(=設計やサポート)がいないと計画は破綻する。
  • 営業マン:お客のかゆいところに手を伸ばせる柔軟さがある反面、提案が複雑になりがち。

だからこそ、家族信託は「設計力」が命。専門家の伴走がないと、自由さが逆にリスクにもなります。


任意後見とは?

任意後見は、本人が元気なうちに「将来の後見人」を契約で決めておく制度です。
効力が発生するのは本人の判断能力が低下してからで、その際は家庭裁判所が後見監督人を必ず選任します。

強みは生活支援。医療や介護の契約を代わりに結んだり、施設費用を支払ったりと、日常生活面で力を発揮します。

たとえるなら──

  • 石川五ェ門(ルパン三世):普段は静かで目立たないけど、いざという時に一刀両断で道を切り開く。
  • システム部門のエキスパート:普段は目立たないが、トラブルの時だけ頼りになる存在。

ただし資産活用に関しては裁判所の監督が入るため、自由度は家族信託に劣ります。


成年後見と家族信託の違いを比較

ここで改めて、成年後見と家族信託の違いを整理します。

  • 成年後見(法定後見)
     → 公的制度で正確。だが自由度ゼロで、資産活用には裁判所の許可が必要。
  • 家族信託
     → 本人が元気なうちに設計すれば自由度高く資産を動かせる。施設費用や不動産売却もスピーディーに可能。

両者は「安心 vs 自由」とも言えるほど、性質が違います。
特に松戸の不動産売却の現場では、この“違い”を理解しているかどうかで結果が大きく変わります。


制度別キャラ喩えでイメージすると?

  • 成年後見 → 丸尾くん(ちびまる子ちゃん)
     真面目すぎてルール命。柔軟性ゼロ。
  • 家族信託 → ルパン三世
     自由自在に立ち回れる。ただし仲間(設計やサポート)がいないと大事故。
  • 任意後見 → 石川五ェ門
     普段は静かだが、いざという時に切り札になる存在。

まとめ

判断能力が低下してから利用できるのは、基本的に法定後見だけ。
だからこそ、元気なうちに「自分で決められる仕組み」を用意しておくことが大切です。

お堅い丸尾くん(成年後見)だけに任せるのではなく、自由なルパン(家族信託)、いざの五ェ門(任意後見)をどう組み合わせるか。
それが、松戸市での不動産売却や空き家整理をスムーズに進めるカギになります。

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