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相続不動産の共有名義は危険?放置すると後悔する3つのリスクと7つの解決法【松戸対応】

相続した実家、兄弟で共有のままにしてるけど…誰も動かないし、固定資産税だけ払ってる。もう正直、しんどい。

本当は売ってしまいたいけど、誰に相談すればいいのか分からず、時間だけが過ぎていく…


相続って、ただでさえ心身ともに疲弊するのに、その後の不動産問題まで抱え込むなんて、本当に大変ですよね。

私も、実家の相続で親族間の調整に奔走し、心底疲れ果てました。

「顔も知らない親族と、ややこしい話をするのは正直疲れる…」
「でも、このまま放置するわけにはいかない…」

そんな葛藤を抱えながら、出口の見えないトンネルを彷徨っているような気持ちでした。

同じように「共有名義の不動産、どうすればいいの?」と悩む方は少なくありません。この記事では、共有名義を放置した場合に起こる3つのリスクと、具体的に動くための7つの解消法を、実際の体験や松戸市対応を交えて解説します。


なぜ放置しちゃダメ?共有名義の不動産が抱える3つのリスク

相続や共同購入などで不動産を共有名義にした場合、時間が経つほど権利関係が複雑になり、身動きが取れなくなるケースが多いです。

実際に、私の実家も祖父の死後、共有名義のまま放置したことで、共有者が9人にまで膨れ上がってしまいました。

会ったこともない親戚との交渉は難航を極め、解決までに長い時間を要しました。

そんな私の体験も踏まえ、共有名義の不動産が抱えるリスクを3つにまとめました。

【1】親族間で感情的な対立が生まれる

  • 共有者が増えるほど、意見のズレや感情のもつれが出やすくなります
  • 「売りたい/売りたくない」「いつ売るか」「どの価格で売るか」など、利害がぶつかる場面が多くなります
  • 特に、遠方在住の親族や疎遠な相手が含まれている場合、連絡・調整が難航しやすい

兄弟で松戸市の不動産を相続したケースがありました。兄の方は遠方に暮らしており、ほとんど他人事。近くに住む弟に全ての管理・負担を任せっきり。

なんで自分だけやってんの?オレだって忙しいのに・・・

こういう感情になるのも無理はありませんね。

【2】空き家化による資産価値の低下

  • 誰も住まなくなると、雨漏り・劣化・設備の故障などによって建物価値が落ちていきます。
  • 雑草・ごみ放置・侵入被害などもリスクになります。
  • さらに、都市計画の変更や道路整備など周辺環境が変わっても、意思決定が遅れて売り時を逃し、結果的に資産価値を下げてしまうことが多いのです。

【3】管理不全空き家指定による固定資産税の増加

  • 2024年4月から相続登記が義務化されました。にもかかわらず相続登記をしないまま放置すると、不動産の所有者が法律上はっきりせず、いわゆる「所有者不明土地」として扱われるおそれがあります。
  • 所有者不明土地になると、売却や担保設定ができず、市場での価値を実際に発揮できなくなるのです。
  • さらに、放置された建物や土地は「管理不全空き家」に指定される可能性があり、その場合は固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1軽減)が外れて、税負担が数倍に増えるリスクもあります。

2024年4月から始まった相続登記の義務化は、世の中の大きな変化です。
所有者不明の土地の面積は、九州の面積を超えると言われていますからね。

全国の私有地の2割はすでに所有者の把握が難しくなっている。
面積に当てはめると、四国はもちろん、九州を上回る規模だ。
出典:東洋経済「所有者不明土地」が九州の面積を超える理由”

これからは、「誰が所有者かわからない土地」は、ますます価値を下げてしまうでしょう。


後悔しないために!共有名義の不動産を解消する7つの方法

そんなこと言われても、どうすればいいかわからない…

そう思われた方も、どうか安心してください。共有名義の解消方法は、決して一つではありません。

ここでは、7つの方法をご紹介します。

【1】全員で協力して売却する

共有者全員の合意が得られれば、そのまま売却して現金を分配するシンプルな方法です。
ただし、全員が納得するまでに時間がかかることも多いです。

【2】自分の持分を他の共有者に売却する

他の共有者が買い取ってくれるなら、自分は所有から離れられます。
売却価格や支払い条件の調整がポイントです。

【3】他の共有者の持分を自分が買い取る

単独所有を目指す方法です。
資金調達が必要ですが、決断力があれば一気に整理できます。

【4】自分の持分を放棄する

共有関係から抜ける方法です。ただし、贈与税の課税や他の共有者への迷惑など注意点があります。

【5】共有物分割請求訴訟をする

話し合いがまとまらない場合は、裁判所に判断を委ねることもできます。
共有物分割請求訴訟は、民法258条に規定にもとづき、分割または競売を命じてもらうことができます。

(裁判による共有物の分割)
第258条
1. 共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
2. 前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。

【6】共有不動産を分割(分筆)する

土地の場合は物理的に分けて所有する方法です。

松戸市では、建築物の新築や建替え等にあたって土地を分割する場合、建築物の敷地の面積が100㎡以上と定められていますので、注意しましょう。

ご参考:(松戸市の)建築物の敷地面積の最低限度に関すること

【7】自分の持分を第三者へ売却する

共有者以外の不動産業者や投資家に持分を売る方法です。
全体を整理する突破口になるケースもあります。


松戸市での実際の相談事例

松戸市内でのご相談の中には、事前に対策をしておかなかったことで、ほとんど接点のない親族と共有になってしまい、話も折り合わず、現在では協議のテーブルにつくこともなく、ただ塩漬けになっているというケースもあります。こうなると、第三者が入らないと整理できない可能性が高いです。

「誰かが動かないと何も進まない」──これが共有名義の現実です。


まとめ:共有名義は「今」動くことが解決の第一歩

共有名義の不動産は、放置しても解決しません。
むしろ時間の経過とともに複雑化し、選択肢がどんどん減っていきます。

「あとでやろう」は、あとでは遅いかもしれません。
迷ったら、まずは専門家にご相談ください。

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