資産整理

松戸市で不動産を相続したら最初に読むべき手続き完全ガイド|死亡届から相続登記・税務申告まで

親が亡くなり、松戸の家や土地を相続することになった——。
しかし、いざいざ手続きを始めようとすると・・・

何から手をつけていいか分からない

どの窓口に行けばいいのか迷う

───多くの方がここで立ち止まります。

  • 死亡届は松戸市役所の市民課
  • 火葬は松戸市斎場
  • 相続登記は千葉地方法務局 松戸支局
  • 相続税の申告は松戸税務署

一つひとつは難しくなくても、役所や窓口が分散しているため、抜けや漏れが起きやすいのが現実です。
さらに、相続登記は3年以内の義務化、相続税は10か月以内の申告が必要と、期限も迫ってきます。

この記事では、松戸市で不動産を相続したときに必要となる流れを、市役所・斎場・法務局・税務署といった具体的な窓口情報まで含めて徹底的に解説します。
「まずは全体像を知りたい」「松戸での手続きに迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。

目次


相続手続き全体の流れ(松戸市バージョン)

相続の手続きは全国的におおまかな流れは同じです。
しかし実際に松戸市で動くと、「どの窓口に行くのか」「どの書類をそろえるのか」で迷う人が非常に多いのが実情です。

ここでは、松戸市で相続を進める場合の全体像を、期限と窓口を意識しながら整理します。
全体の地図を頭に入れておくことで、「やることが山ほどあるのに、何から手をつければいいのか分からない」という混乱を避けることができます。

死亡から葬儀まで(最初の数日〜1週間)

相続の流れは、まず「死亡届」と「火葬許可証」から始まります。これを済ませないと火葬や葬儀が一切進められないため、松戸市ではここが最初の重要ステップとなります。

死亡届の提出

  • 提出先
    松戸市役所 本庁舎1階の 市民課 または各支所(常盤平・矢切・六実・小金原・東部など)で手続き可能です。
  • 提出期限
    死亡から7日以内(戸籍法第86条)。休日・夜間は市役所宿直室でも受け付けています。
  • 提出者
    原則は同居の親族ですが、親族でなくても届出義務者に含まれる場合があります。実務上は病院から葬儀社に依頼し、葬儀社が代行するケースも多いです。
  • 必要書類
    • 死亡診断書(医師作成。死亡届と一体様式になっている)
    • 届出人の印鑑(認印で可、シャチハタ不可)
    • 届出人の本人確認書類(免許証など)
  • 同時に交付されるもの
    • 火葬許可証(これがないと火葬・葬儀の予約ができません)

火葬許可証と火葬手続き

  • 火葬許可証の役割
    松戸市斎場で火葬を行う際に必須となる書類です。死亡届を提出すると即日交付されます。
  • 火葬場所
    • 松戸市斎場(松戸市高柳新田)
    • 松戸市民であれば市民料金で利用可能。市外居住者は割高になります。
  • 火葬の流れ
    • 市役所で火葬許可証を受け取り、葬儀社が松戸市斎場へ予約
    • 火葬当日に火葬許可証を斎場に提出
    • 火葬終了後に「埋葬許可証」が返却される
  • 使用料(参考)
    • 松戸市民:火葬料(15歳以上)は3,000円(非課税)
    • 市外居住者:有料(例:数万円程度)
    • 待合室利用料などは別途

よくあるトラブル・注意点

  1. 死亡診断書の不備
    医師の記入漏れがあると、市民課で受理されない。→ 再度病院へ取り直しに行く羽目になる。
  2. 休日・夜間の対応
    松戸市役所は宿直室での受付は可能だが、火葬許可証の発行は翌開庁日になることがある。→ 土日に死亡した場合は火葬日程の調整が難航することも。
  3. 松戸市斎場の混雑
    公営斎場は利用料が安いため予約が集中。特に大安や週末は希望通りに取れないことがある。
  4. 市外在住の方が松戸市で火葬する場合
    市民料金が適用されず費用が高額になる。居住地や住所変更の有無を確認しておく必要あり。

判断能力の低下があると手続きが止まります。成年後見・家族信託の違いと使いどころは、こちらで整理しています。
 → 『成年後見と家族信託の違いを比較|認知症・不動産売却に備える

松戸市でのステップまとめ(最初の1週間)

  1. 死亡後すぐに、医師から死亡診断書を受け取る。
  2. 松戸市役所市民課または各支所にて死亡届を提出(7日以内)。
  3. 同時に火葬許可証を交付してもらう。
  4. 葬儀社を通じて松戸市斎場の火葬を予約。
  5. 火葬当日、火葬許可証を提出して火葬を実施。


戸籍の収集と相続人の確定

戸籍収集がなぜ必要か

相続の第一歩は、「誰が相続人か」を法律的に確定することです。
これを証明するために、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍一式と、相続人全員の戸籍を揃える必要があります。
これが揃わないと、不動産の相続登記も銀行預金の名義変更も一切進められません。

どこで取得するか(松戸市の場合)

  • 本籍が松戸市にある場合
    • 取得先:松戸市役所 本庁1階 市民課 または各支所
    • 郵送請求も可能(定額小為替、返信用封筒、請求書を同封)
    • 手数料:戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍 各450円
  • 本籍が松戸市以外にある場合
    • その市区町村に郵送で請求する
    • 相続では複数の市町村にまたがることが多く、戸籍を取り寄せるのに1〜2か月かかることも珍しくありません

集める戸籍の範囲

  1. 被相続人の出生から死亡までがつながる戸籍(謄本・除籍・改製原戸籍)
  2. 相続人全員の現在戸籍
  3. 相続人の一部が既に亡くなっている場合、その人の除籍と、代襲相続人(子や孫)の戸籍

松戸市での窓口利用のコツ

  • 市民課は混雑が常態化
    特に月曜日の午前、連休明けは大変込み合います。事前予約や郵送請求を活用するのが無難です。
  • 各支所でも取得可能
    本庁舎が混雑している場合は、常盤平・矢切などの支所での取得も選択肢になります。

よくあるトラブル

  • 途中の戸籍が抜け落ちている
    → 相続人確定ができず、法務局で登記を受け付けてもらえません。
  • 相続人が遠方や海外にいる
    → 戸籍取り寄せや署名押印に時間がかかるため、早めに着手が必要です。
  • 旧字体・地名の誤読
    → 誤記載があると銀行や法務局で差し戻されるケースがあります。

松戸で戸籍収集をスムーズに進めるために

  • 松戸市民課でまず「被相続人の戸籍がどこまであるか」を確認する
  • 足りない分は他市区町村へ郵送請求
  • 戸籍が揃ったらコピーを取り、後続の相続登記や銀行手続きにも流用
  • 法務局に「法定相続情報一覧図」を申請すれば、以後は戸籍の束を何度も出さなくて済む

相続財産を把握する

なぜ財産の把握が重要か

相続では「財産=プラスの資産」だけでなく「負債=マイナスの資産」も引き継ぎます。
したがって、不動産・預貯金・証券・保険・借金・未払い税金を正確に洗い出さなければ、遺産分割も相続税申告もできません。
松戸市で暮らす方の場合は、市役所・金融機関・税務署などの複数窓口を行き来することになります。

不動産等資産別の対応・取扱方法

不動産(松戸市内にある場合)

  • 固定資産評価証明書の取得
    • 取得先:松戸市役所 財務部 固定資産税課(本庁舎2階)または各支所
    • 登録免許税の算出や相続税申告に必須
    • 手数料:土地3筆ごと/家屋3棟ごとに各300円
    • 郵送請求も可能。請求書、手数料分の定額小為替、返信用封筒を同封
    • コンビニ交付にも一部対応(マイナカード必須)
  • 不動産の内容確認
    • 固定資産税の納税通知書(毎年4月頃発送)
    • 松戸市役所で「名寄帳」を取得すると所有不動産の一覧を確認できる
    • 登記事項証明書は 千葉地方法務局 松戸支局 で取得

相続後に売却まで進める具体的な段取り(方法・契約・費用・相場・書類)は、松戸向けの総合ガイドが便利です。
 → 『松戸版 空き家・実家売却マニュアル

預貯金

  • 松戸市内には 千葉銀行・京葉銀行・常陽銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行など主要金融機関の支店あり
  • 各行の窓口で「残高証明書」を請求(相続人代表者の印鑑・戸籍・法定相続情報一覧図などが必要)
  • 時間がかかるため、相続登記と並行して手続きを進めるのが望ましい

株式・投資信託

  • 松戸駅周辺に店舗のある証券会社(野村證券、SMBC日興証券など)やネット証券で口座を確認
  • 「取引残高報告書」「年間取引報告書」を取り寄せて財産額を確定

保険金

  • 契約していた生命保険・医療保険を確認
  • 保険会社の松戸支社や代理店に連絡し、死亡保険金の請求手続きを行う
  • 相続財産に含まれるか、非課税枠(法定相続人×500万円)があるかを整理

負債・マイナスの財産の対応・取扱方法

  • 銀行ローン(住宅ローン、自動車ローンなど)
  • 個人事業主の借入金や保証債務
  • 未納の固定資産税や住民税(松戸市税務課で確認できるケースあり)
  • マイナスが大きい場合は、**相続放棄(3か月以内に家庭裁判所に申立)**を検討

よくあるつまずき(松戸市民の事例)

  • 評価証明書を取らずに法務局へ → 登録免許税が計算できず差し戻し
  • 相続放棄の期限(3か月)を過ぎてしまう → 借金ごと引き継いでしまう
  • 銀行口座を放置 → 数か月で凍結され、引き出し不能になって慌てる
  • 保険金の非課税枠を知らず → 申告で損をするケース

松戸で財産把握をスムーズに進めるために

  1. 市役所(財務部 固定資産税課)で 評価証明書+名寄帳 を一度に取得
  2. 法務局(松戸支局)で登記事項証明書を取り不動産を確認
  3. 銀行・証券・保険会社に連絡し、残高証明や契約内容を揃える
  4. 借金や未納税がある場合は税務課や債権者に確認
  5. すべてをリスト化して「財産目録」を作成


不動産に関する手続き(3年以内)

相続登記(不動産名義変更)の義務化

相続登記は義務化(2024年4月1日施行)。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料対象です。困難な場合は、相続人申告登記を行えば義務を履行したものと扱われます(登録免許税なし/相続人の単独申出可)。

松戸市に不動産を持つ場合、その申請窓口は 千葉地方法務局 松戸支局(松戸市岩瀬 無番地、松戸合同庁舎内) です。

  • 最寄駅:JR・新京成「松戸駅」東口から徒歩約10分
  • 電話:047-363-6278(代表)
  • 窓口受付時間:平日8:30〜17:15(郵送・オンライン申請も可能)

登記を先送りして共有名義のまま放置すると、売却停滞やトラブルの温床になります。**解消の選択肢(代償・持分売買・換価分割・調停)**は下記で解説。
 → 『共有名義 不動産 解消|相続トラブルを防ぐ7つの方法

相続登記に必要な書類(松戸市で揃える場合)

  • 被相続人の除籍・改製原戸籍(市民課)
  • 相続人全員の戸籍謄本(市民課)
  • 相続人全員の住民票(市民課)
  • 相続人全員の印鑑証明書(市民課、発行から3か月以内)
  • 不動産評価証明書(財務部 固定資産税課、土地3筆/家屋3棟ごとに300円)
  • 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印・印鑑証明を添付)
  • 法定相続情報一覧図(松戸支局で取得可、戸籍の束を代替できる)

 相続後に売却まで進めるロードマップ(登記→査定→契約→引渡し)は「松戸市 相続不動産の売却ガイド」を参照。

登録免許税

  • 計算式:固定資産評価額 × 0.4%
  • 例:評価額2,000万円 → 税額8万円
  • 固定資産評価額は松戸市財務部 固定資産税課で交付される評価証明書を基準にします。

相続人申告登記(期限対策)

「戸籍を揃えるのに時間がかかる」「相続人間で話し合いがまとまらない」という場合でも、相続人申告登記を松戸支局に申請しておけば、義務違反の過料は免れます。
これは“とりあえず義務を果たしたことにする申告”で、本登記の代替ではありませんが、期限管理の安全策として有効です。

固定資産税の納税者の申告(松戸市)

相続登記が未了でも、固定資産税の納税義務は相続人全員に連帯して発生します。代表者の指定は「納税通知書の受取人」を決める手続きであり、代表者だけが支払義務者になるわけではありません。

亡くなった方の不動産については、現所有者(相続人等)は、現所有者であることを知った日の翌日から3か月以内に「(固定資産税・都市計画税)現所有者申告書」を提出する義務があります。申告書に自署した人が、相続登記完了までのあいだの納税通知書の受取人になります。

提出先:松戸市役所 財務部 固定資産税課(新館2階)
※正当な理由なく提出しない場合、地方税法等により10万円以下の過料の対象となることがあります。

またもし、家屋が未登記の場合は、上記とは別に「未登記家屋所有者変更届(相続用)」の提出が必要です(郵送可)。

課税は賦課期日(毎年1月1日)時点の台帳登録に基づくため、届出後の反映は原則翌年度からです。

詳しくは松戸市公式サイトの「土地・家屋の所有者がお亡くなりになったとき」ページをご確認ください。

松戸市民がよくつまずくポイント

  • 戸籍が他市区町村に散らばり、揃えるのに数か月かかる
  • 不動産評価証明書を取り忘れて、法務局で補正を受ける
  • 「固定資産税の納税通知が来たから登記も終わった」と誤解して放置するケース
  • 相続人が複数いて遺産分割協議書がまとまらず、登記が何年も遅れる

 相続登記の後に売却を検討する方は、失敗を避けるための事前チェックをこちらで確認してください(税金の特例〈3,000万円控除〉も収録)。
→ 『相続した不動産を売却する前に必ず確認すべき6つのポイント
※同記事 「5 税金(譲渡所得税・特例)」 で3,000万円特別控除を解説。

手続きの流れまとめ

  1. 松戸市役所(市民課・固定資産税課)で戸籍・印鑑証明・評価証明を揃える
  2. 相続人全員で遺産分割協議書を作成
  3. 千葉地方法務局 松戸支局に相続登記を申請
  4. 登記完了後、固定資産税課に「現所有者申告書」を提出

相続登記後に売却を検討する方は、売却前に必ずチェックすべき6項目(登記・合意形成・境界・建物・税金(譲渡所得税の特例)・空き家リスク)をこちらで確認してください:「相続した不動産を売却する前に必ず確認すべき6つのポイント」。

※同記事内の「5 税金(譲渡所得税・特例)」で3,000万円特別控除等を解説

売却時の費用と税金の全体像は、連載「家の整理 第6話:不動産売却にかかる費用・税金」で整理しています(特例の種類と注意点)

 「不動産売却でありがちな失敗3選」(特例の見落とし・税金想定漏れなどの実務注意点)


相続税の申告(10か月以内)

申告期限

相続税の申告と納税は、被相続人が亡くなった日から10か月以内に行う必要があります。
この期限を過ぎると、延滞税・無申告加算税が課され、余計な負担になります。
松戸市の場合、申告窓口は 松戸税務署(松戸市小根本7-13) です。

申告が必要かどうかの判定

相続税には基礎控除があり、この金額以下なら申告不要です。

  • 計算式:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
  • 例:相続人3人 → 3,000万 + (600万×3) = 4,800万円

遺産総額が4,800万円以下なら原則申告不要です。
ただし、**基礎控除以下でも「相続登記や特例適用のため申告するケース」**もあり、判断は慎重に行う必要があります。

基礎控除の考え方と税負担の目安は、松戸モデルのシミュレーションが参考になります。
 → 『実家の相続 vs 生前贈与|税金比較とリスク解説【松戸市モデル】

松戸市で揃える必要書類

申告書類の作成には、市役所で取得するもの・金融機関から取り寄せるものが混在します。

  • 松戸市役所で取得
    • 固定資産評価証明書(固定資産税課、本庁舎2階/各支所)
    • 名寄帳(固定資産税課、不動産一覧を確認できる)
    • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式(市民課)
    • 相続人全員の戸籍・住民票(市民課)
    • 相続人の印鑑証明書(市民課、発行日から3か月以内)

  • 金融機関・証券会社・保険会社で取得
    • 預貯金残高証明書(各銀行の松戸支店)
    • 株式・投資信託の残高証明書(証券会社)
    • 生命保険金の支払通知書(保険会社・松戸市内代理店で対応可)

遺産分割がまとまらない場合の対応

実務で最も多いのが「遺産分割協議が10か月以内にまとまらない」ケースです。

この場合の救済制度が 「申告期限後3年以内の分割見込書」 です。

  • 協議未了でも、法定相続分で仮申告を行う
  • 申告書に「分割見込書」を添付することで、後日協議がまとまったときに
    • 配偶者控除
    • 小規模宅地等の特例
      を遡って適用できる
  • 分割成立後は 修正申告または更正の請求 で税額を調整
  • 見込書を出さないまま期限を迎えると、これらの特例は一切使えない

共有名義で長期停滞すると税務・管理コストが増加します。具体的な解消手順と注意点はこちら。
 → 『共有名義 不動産 解消|相続トラブルを防ぐ7つの方法

よくある松戸市民のつまずき

  • 「遺産分割がまだだから申告できない」と放置 → 無申告加算税
  • 分割見込書を付け忘れ → 配偶者控除や小規模宅地特例が使えず高額納税に
  • 不動産の評価証明を取り忘れる → 申告書が作れない
  • 金融機関の残高証明取得に時間がかかり、準備が遅れる

手続きの流れ(松戸市での実務)

  1. 財産目録を作成(不動産・預貯金・株式・保険・負債)
  2. 松戸市役所(固定資産税課・市民課)で評価証明・戸籍等を取得
  3. 銀行・証券・保険会社で残高証明・通知書を揃える
  4. 協議がまとまっていない場合は「法定相続分で仮申告」+「分割見込書」を添付
  5. 松戸税務署に申告・納税
  6. 協議成立後に修正申告または更正の請求

まとめ

松戸市の相続手続きでは、遺産分割が10か月以内にまとまらないケースが圧倒的に多いです。
それでも、

  • 法定相続分で仮申告
  • 分割見込書を必ず添付
  • 後日協議成立後に修正・更正

この流れを押さえておけば、期限を守りつつ、最終的に正しい税額に調整できます。
逆にこれを怠ると、本来払わなくていい税金を払い続けるリスクがあるため要注意です。


その他の手続き(年金・保険・車など)

年金の手続き

  • 松戸年金事務所(松戸市根本7-18)が窓口。
  • 死亡から14日以内に「年金受給権者死亡届」を提出。
  • 必要書類:年金証書、死亡診断書または除籍謄本、届出人の身分証明書。
  • 未支給年金がある場合、相続人が請求できる。

健康保険・介護保険および年金関係の手続き

健康保険・介護保険証の返却と葬祭費

  • 故人が 国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険 に加入していた場合、保険証は 松戸市役所 健康医療部 国保年金課 へ返却します。
  • あわせて、葬祭費(国民健康保険加入者:5万円、後期高齢者医療制度加入者:7万円)が支給される制度があります。
    • 対象:故人が国保または後期高齢者医療に加入していた場合
    • 受給者:原則として葬祭を行った喪主
    • 申請期限:葬祭を行った日の翌日から 2年以内
    • 必要書類:葬祭を行ったことがわかるもの(会葬礼状、葬儀社の領収書など)、喪主名義の通帳、印鑑 など
  • この手続きも 国保年金課が窓口です。

年金関係

  • 故人が 国民年金のみ を受給していた場合:市役所 国保年金課 国民年金班で「受給権者死亡届」や「未支給年金請求書」の提出ができます。市役所から日本年金機構へ連絡が行われます。
  • 故人が 厚生年金や共済年金 を受給していた場合:松戸年金事務所(日本年金機構) が窓口となります。

ポイントまとめ

  • 健康保険証・介護保険証の返却 → 市役所 国保年金課
  • 葬祭費(国保5万円/後期高齢者7万円) → 市役所で申請、喪主が受給、申請期限は2年以内
  • 国民年金 → 市役所 国保年金課で手続き可能
  • 厚生年金・共済年金 → 松戸年金事務所へ

生命保険の請求

  • 各保険会社の松戸支社や代理店を通じて死亡保険金を請求。
  • 必要書類:死亡診断書のコピー、保険証券、相続人の戸籍関係書類。
  • 非課税枠(法定相続人の数 × 500万円)があるため、相続税の計算で有利に働くことも多い。

自動車の名義変更・抹消

  • 所有者が亡くなった場合は相続による移転登録または抹消登録が必要。
  • 管轄:千葉運輸支局(習志野市)。松戸市はここが所轄になる。
  • 必要書類:車検証、戸籍一式、遺産分割協議書など。
  • 放置すると車検や保険の更新ができず、トラブルの原因になる。

公共料金・ライフライン

  • 電気:東京電力エナジーパートナー
  • ガス:東京ガス松戸支社
  • 水道:松戸市水道局(松戸市根本)
  • 各窓口で名義変更や解約手続きを行う。引落口座が凍結される前に処理するのが重要。

郵便・電話・インターネット

  • 郵便局に「転送届」を出して、遺族宛の郵便が滞りなく届くようにする。
  • 固定電話やインターネット回線は、プロバイダーやNTTに解約・名義変更を依頼。

松戸市民が見落としやすいポイント

  • 葬祭費の請求忘れ:国保や後期高齢者医療に加入していた場合、5万円程度が支給されるが未請求で失効している例が多い。
  • 自動車の放置:名義変更しないまま車を保有すると、事故や税金の責任が残る。
  • 口座凍結前の公共料金:口座引落ができなくなるとすぐ滞納になるため、早めの名義変更が必須。

解体が必要なケースは年度ごとに補助要件が変わります。松戸の最新要件はこちら。
 → 『松戸市の空き家・解体に使える補助金まとめ

まとめ

年金・保険・車・ライフラインの手続きは「期限は緩いが忘れやすい」性質があります。
松戸市役所・年金事務所・千葉運輸支局・ライフライン事業者といった窓口を一度に洗い出し、チェックリスト化して一気に片付けることが、遺族の負担を軽減するコツです。


松戸市民がつまづきやすいポイント

戸籍の収集に時間がかかる

相続人確定のためには被相続人の出生から死亡までの戸籍を揃える必要があります。
松戸市に本籍がある分は市民課で取れますが、他市区町村に本籍があると郵送請求が必要で、1か所で2〜3週間、全国に散らばると数か月かかることも珍しくありません。

火葬許可証の発行タイミング

休日・夜間に死亡届を出すと、火葬許可証が翌開庁日まで発行されないことがあります。
葬儀社との打ち合わせや斎場予約が滞る原因になるため、死亡当日の動き方を事前に知っておくことが重要です。

不動産の評価証明の取り忘れ

相続登記や相続税申告には「固定資産評価証明書」が必須です。
松戸市固定資産税課で1件300円で交付されますが、これを忘れて法務局に申請すると**補正(差し戻し)**になり、余計な時間がかかります。

相続登記の誤解

「固定資産税の納税通知書が届いたから名義変更も終わっている」と勘違いする方が非常に多いです。
実際は、相続登記をしていなければ登記簿上の名義は故人のままであり、売却・担保設定はできません。

遺産分割協議が長引く

松戸市では古い戸建てや複数の土地を持っているケースが多く、

  • 誰が住むのか
  • 売却か保存か
  • 兄弟間の感情的な対立
    で話し合いが進まず、10か月の申告期限を超えてしまうケースが目立ちます。
    この場合でも「分割見込書」を提出しなければ、配偶者控除や小規模宅地特例が使えず損をします。

協議がまとまらない期間の共有名義の扱いとリスク、解消の具体策は下記を参照。
 → 『共有名義 不動産 解消|相続トラブルを防ぐ7つの方法

年金・健康保険の手続き忘れ

  • 松戸年金事務所での年金停止手続き
  • 市役所保険年金課での国保・介護保険証返却
    これを忘れると年金が不正受給扱いになったり、保険料が課され続ける恐れがあります。

公共料金・ライフライン

銀行口座が凍結されると、水道・電気・ガスの引落が止まります。
松戸市水道局や東京電力などに名義変更や引落口座変更を早めに行わないと、供給停止の通知が来て慌てることになります。

まとめ

松戸市の相続手続きでは、全国共通の手続きに加えて「市役所・斎場・税務署・法務局・年金事務所」と複数の窓口をまたぐため、どこで何を揃えるかを誤ると簡単に足止めされます。
特に「遺産分割協議が間に合わない」「固定資産評価証明を忘れる」「火葬許可証が発行されない」の3つは、松戸市民が実際によくつまづくポイントです。


松戸市で相続を失敗しないために

相続手続きは一見シンプルに見えても、松戸市で実際に進めると

  • 死亡届は市民課、火葬は松戸市斎場
  • 不動産の名義変更は千葉地方法務局 松戸支局
  • 相続税の申告は松戸税務署
  • 年金停止は松戸年金事務所

と、複数の窓口を跨いで動かなければなりません。
そのたびに「書類が足りない」「期限を過ぎた」といったトラブルが起きやすく、放置すれば 過料・延滞税・特例喪失 という具体的な損失につながります。

相続手続き成功のポイント

  1. 期限を意識する
    • 火葬許可証 → 死亡から7日以内
    • 相続税申告 → 10か月以内
    • 相続登記 → 3年以内
  2. 窓口を把握する
    • 松戸市役所(市民課・固定資産税課・保険年金課)
    • 松戸市斎場
    • 松戸税務署
    • 千葉地方法務局 松戸支局
    • 松戸年金事務所
  3. 放置しない
    • 遺産分割がまとまらなくても「仮申告+分割見込書」で期限を守れる
    • 手続きを止めないことが最大のリスク回避

行動のすすめ

「そのうちやろう」と思っている間に期限は迫ります。
相続は感情の問題も絡むため、時間が経つほど話し合いが難航するのも現実です。

松戸市で相続に直面している方は、まずは動き出すことが何より大切です。
地域の制度や窓口事情まで理解している専門家に相談することで、無駄な時間やコストをかけずに済みます。

手続きの優先順位整理・期限管理・専門家連携(司法書士/税理士)まで、伴走します。

関連記事

  1. まっとう式・家の整理 第8話:松戸市での不動産売却を成功させるための「…

  2. まっとう式・家の整理 第3話:どうすれば家族で揉めずに家を整理できるの…

  3. 松戸市の空き家・解体に使える補助金をわかりやすく解説【令和7年度版】

  4. 松戸市の空き家

    相続した家、どうする?──松戸市で不動産を相続したあなたへ。売却前に考…

  5. 確認申請制度改正(2025)の影響:相続不動産売却で売主が知っておくべ…

  6. まっとう式・家の整理 第11話:50代・60代・70代──年代別に見る…

  7. まっとう式・家の整理 第9話:松戸市で不動産を売るなら「高く売りたい」…

  8. 「このままでいいのか?」に潜む“must思考”──50代からの仕事と空…

PAGE TOP