資産整理

松戸版 空き家・実家売却マニュアル──方法・契約・費用・相場・書類まで徹底解説


空き家・実家売却の3つの方法

松戸で空き家や実家を整理するとき、売却の進め方は大きく3つあります。まずはそれぞれの特徴と向き・不向きを押さえましょう。

仲介で売却する

仲介は、もっとも一般的な売却方法です。不動産会社に依頼して広告を出し、内見を通じて買い手を探していきます。
時間はかかりますが、市場価格に近い値段で売れる可能性が高いため、「できるだけ高く売りたい」という人には向いています。

メリット

  • 市場価格に近い売却が狙える
     松戸駅周辺や新松戸・八柱のように人気のあるエリアでは、複数の買い手が競合し、希望価格で売れるケースもあります。
  • 幅広い買い手にアプローチできる
     個人購入者だけでなく、投資用・建て替え用として探している人まで対象になるため、選択肢が広がります。

注意点

  • 売却まで時間がかかる
     平均で3〜6か月は見ておく必要があります。松戸駅徒歩圏の物件なら3か月以内で売れることも多いですが、五香・六実・バス便エリアの築古戸建ては半年以上かかる例もあります。
  • 売れるための準備が必要
     内見の際、生活感や残置物が多いと印象が悪くなりやすく、境界が不明確な土地では買い手が敬遠することも。相続登記が済んでいなければ契約がストップするため、事前準備が不可欠です。

松戸市でのポイント

  • 駅近や利便性の高いエリア(松戸駅・新松戸・八柱)は比較的短期間で売れる傾向が強いです。
  • 一方で、郊外や築年数の古い物件は価格調整や販売期間に余裕を見込む必要があります。
  • 境界や越境のトラブルが潜んでいると、さらに売却が遅れるケースも珍しくありません。

先送りが招く落とし穴

空き家を「そのうち売ろう」と放置しているうちに、市場は待ってくれません。

松戸でも、駅近の物件は短期間で決まる一方、郊外や築古は半年、一年と売れ残って値下げを余儀なくされたケースが現実にあります。
動きが遅れれば遅れるほど、資産価値は削られ、固定資産税だけが重くのしかかります。

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不動産会社に直接買い取ってもらう

仲介のように一般の買い手を探すのではなく、不動産会社が自ら買主となる方法です。
「すぐに現金化したい」「相続で早めに整理したい」という場合に有効です。

メリット

  • 短期間で現金化できる
     松戸でも、スムーズなら査定から2〜3週間で現金化されることがあります。
  • 現状のまま売却できるケースが多い
     老朽化や残置物が残ったままでも業者が引き取るため、解体や大規模な片付けを前もってしなくて済む場合があります。

注意点

  • 価格は仲介より低くなる
     不動産会社は再販売を前提に買うため、仲介より1〜2割ほど低い価格提示が一般的です。
  • 立地によっては買取不可や大幅減額も
     再建築不可や郊外の需要が薄い土地は「買い取れない」または「驚くほど低い価格」になることもあります。

松戸のポイント

  • 松戸駅や新松戸、八柱などの人気エリアは「買取→再販」の動きが早く、比較的条件も良い。
  • 一方、バス便立地や築古の狭小住宅では買取査定が厳しく、仲介との差が大きく出やすいのが現実です。

買い取りが断られる落とし穴

「今はまだ業者に買い取ってもらえるだろう」と思っているうちに、建物はどんどん傷みます。

松戸でも、数年前は買取対象だった家が、雨漏りやシロアリで「もう値段がつけられません」と業者に断られた例があります。
時間が経つほど、選べる選択肢は減り、査定額は下がり、資産は“負動産”へまっしぐらです。

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解体して更地で売る

建物が古すぎて住めない、雨漏りやシロアリ被害が進んでいる──そんな物件は「建物付き」では買い手がつきにくくなります。
その場合の解決策が「解体して更地にしてから売る」方法です。

メリット

  • 買い手が見つかりやすい
     新築用地として需要が広がり、特に若い世代やハウスメーカーが動きやすくなります。
  • 建物のマイナスをリセットできる
     老朽化や事故歴など、建物に残っていたネガティブ要素を切り離せます。

注意点

  • 解体費用が先にかかる
     木造30坪で100〜150万円前後。鉄骨やRC造はさらに高額になり、条件によっては数百万円規模になります。
  • 条件によってはコスト増
     松戸の住宅地で多い私道沿いの狭小地では重機が入らず「手壊し」となり、費用が2倍近くになることもあります。

松戸のポイント

  • 旗竿地や2項道路など、再建築の可否が絡む土地では「解体しても新築できない」ケースがあり要注意です。
  • 古い住宅地では、前面道路に下水本管が通っていないことも。解体後の引き渡し条件として問題化することがあります。

解体費用が膨らむ落とし穴

「壊した方がいいのは分かっているけど…」と先送りするほど建物は傷み、解体費用は膨らみます。

さらに放置を続けると、近隣から「危険家屋」として通報され、松戸市から勧告や指導が入ることも。そうなれば、急な解体出費を強いられ、自分で判断できる余地がなくなります。

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媒介契約の種類を理解する

松戸で不動産を売る際に避けて通れないのが「媒介契約」です。
媒介契約とは、不動産会社に売却を依頼するときに結ぶ“約束ごと”で、売却活動の進め方や透明性に直結します。

媒介契約には3つの種類があり、それぞれ不動産会社に課される義務と特徴が異なります。ここでは、制約が強い順に説明します。

資料:公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)

専属専任媒介契約

  • 特徴
    1社のみに依頼し、自分で買主を見つけても取引できない。もっとも制約の強い契約。
  • 不動産会社の義務
    契約締結の翌日から5営業日以内に必ずレインズに登録。
    売却活動の状況を1週間に1回以上、売主に報告。
  • メリット
    不動産会社が「必ず自社で成約させたい」と考えるため、営業活動が積極的になりやすい。
    活動報告も週1回以上で、進捗が見えやすい。
  • 注意点
    自己発見取引(自分で買主を見つけること)ができない。
    依頼先を誤ると身動きが取れなくなり、売却が遅れるリスク。
  • 松戸の実情
    松戸駅・新松戸・八柱といった人気エリアは買い手がつきやすく、専属専任でも早期に決まることが多い。
    一方で郊外やバス便エリアの戸建ては需要が弱く、縛りが強すぎて逆効果になるケースもある。

専任媒介契約

  • 特徴
    1社に依頼するが、自分で見つけた買主との取引は可能。制約と柔軟性のバランスがとれた契約。
  • 不動産会社の義務
    契約締結の翌日から7営業日以内にレインズへ登録。
    2週間に1回以上、売却活動の状況を報告。
  • メリット
    不動産会社が責任を持って動きやすく、自己発見取引も認められる。
    営業活動が「やる気と柔軟性」の両立になる。
  • 注意点
    報告が2週間に1回のため、活動が鈍い会社に当たると「本当に動いているのか」が見えづらい。
  • 松戸の実情
    松戸市内の一般的な戸建やマンションでは、この形がもっとも現実的。
    特に郊外エリアは「一般媒介だと誰も本気で動かない」ことがあるため、専任にする方が安全。

一般媒介契約

  • 特徴
    複数の不動産会社に同時に依頼できる。もっとも自由度の高い契約。
  • 不動産会社の義務
    レインズ登録義務なし(任意登録は可能)。
    売却活動の報告義務もなし。
  • メリット
    複数社に同時に依頼できるため、広くアプローチ可能。
    自己発見取引も自由にできる。
  • 注意点
    各社が「他社で決まってしまうかも」と考え、営業活動が不十分になりやすい。
    活動状況も報告されないため、売主が管理しないと“放置”されがち。
  • 松戸の実情
    松戸駅周辺の駅近マンションなど、需要が高い物件なら一般媒介でも短期間で決まることがある。
    しかし郊外や築古戸建てでは「誰も真剣に動かない」結果、半年以上売れ残る例もある。

レインズとは?

レインズとは、不動産会社だけが使える物件情報ネットワークです。ここに登録されれば、あなたの物件情報は全国の不動産会社に公開され、買主様候補が大幅に増えます。

不動産を高く、早く売るために、最も重要なことはこの「レインズ登録」です。

レインズに登録することで、あなたの物件をより多くの買主様候補に見てもらえることに繋がります。

専属専任・専任の場合、レインズ登録が義務付けられています。しかし、残念ながら、中には登録を怠る不動産会社も存在します。

もし、レインズ登録をしない不動産会社に依頼してしまうと、あなたの物件は限られた買主しか目に触れず、結果的に相場よりも低い価格で売却せざるを得なくなる可能性があります。

そうならないために、媒介契約を結んだ不動産会社に必ずレインズ登録をしてもらいましょう。

契約選びを誤る代償

「どの契約にするかは後で考えよう」と先送りしている間に、市場はどんどん動きます。

松戸でも「一般媒介にしたら、レインズに登録されず、誰も本気で動かず半年売れ残った」「専属専任にしたら、縛りが強い契約にして身動きが取れなくなった」──どちらの失敗も現実です。

最初の契約選びが“売れるか・削られるか”を分けます。

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売却にかかる費用と税金の基本

不動産の売却では「売れた金額=手元に残る金額」ではありません。
仲介手数料や登記費用、場合によっては測量や解体の費用が発生します。さらに譲渡所得税がかかるケースもあり、**「思ったより残らなかった」**という声は松戸でも多く聞かれます。

仲介手数料

不動産会社に支払う仲介手数料は法律で上限が決められています。
通常ルールに加え、空き家対策として低額取引の特例が導入されています。

売却価格仲介手数料の上限備考
800万円超売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税通常ルール
400〜800万円以下30万円 + 消費税2022年改正による特例
400万円以下18万円 + 消費税2018年改正による特例
  • 例1:2,000万円で売却 → 上限72万6,000円(税込)
  • 例2:500万円で売却 → 最大33万円(税込)
  • 例3:300万円で売却 → 最大19万8,000円(税込)

👉 松戸では、古い戸建や相続空き家が400〜800万円で売れることもあり、この30万円特例が実務上かなり重要です。

登記関連費用

  • 抵当権抹消登記(司法書士報酬含む):2〜3万円程度
  • 相続登記が未了の場合は10万〜20万円かかることも

測量費用

  • 境界確定測量:30万〜80万円が目安
  • 松戸の郊外戸建では「境界が不明確」なケースが多く、これが売却の遅れに直結することも

解体費用

  • 木造30坪で200万円前後が現在の目安
  • 鉄骨やRC造は300〜500万円以上
  • 松戸の私道沿い・狭小地は重機が入らず「手壊し」併用でコストが倍増する場合も
  • 築古物件ではアスベスト使用の可能性もあり、調査・処分でさらに費用増

税金の基本

  • 譲渡所得税
    • 所有期間5年以下(短期):約39%
    • 所有期間5年超(長期):約20%
  • 特例の活用
    • 居住用財産の3,000万円控除
    • 相続空き家の特例(一定条件で最大3,000万円控除)

👉 松戸でも「相続空き家特例が使えるかどうか」で数百万円単位の差がつくことがあります。

知らなかったでは済まない落とし穴

「売却してみたら税金と諸費用で手元にほとんど残らなかった」──松戸でも実際にある失敗です。

事前に費用や税金を把握していないと、**「相場どおり売れたのに生活資金が足りない」**という悲劇につながります。
大事なのは“売却額”ではなく“手取り額”。ここを押さえずに動くのは、自分から資産を削りにいくのと同じです。

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松戸市の相場と売却成功のコツ

売却を考えるときに一番気になるのが「いくらで売れるのか?」という点です。
ただし、不動産の相場は時期や立地で変動しやすく、駅近と郊外、築浅と築古で二極化が進んでいるのが松戸の実情です。

松戸市の不動産相場の傾向

  • 松戸駅周辺(再開発エリア・ターミナル駅)
    築10〜20年のマンション(専有60〜80㎡)は、4,000万〜5,000万円前後が中心(SUUMO調べ・2024年時点)。
    駅近は需要が厚く、築古でも値崩れしにくい傾向があります。
  • 新松戸・八柱・北松戸など副都心的エリア
    利便性と生活施設が揃っており、戸建・マンションともに安定した需要。
    ファミリー層の入れ替わりも多く、流動性が高いのが特徴です。
  • 郊外エリア(五香・六実・小金原など)
    戸建中心で、価格は下がり気味。築古は「土地値」で取引されるケースも目立ちます。

👉 相場は常に変動するため、最新の成約情報はレインズ(不動産流通標準情報システム)などで確認するのが確実です。

売却を成功させるコツ

  1. 相場の把握を怠らない
    「近所の◯◯さんがこの価格で売れたから…」という噂ベースでは危険。レインズや実際の成約事例を確認すること。
  2. 販売戦略を立てる
    価格を強気に出して様子を見るのか、最初から早期成約狙いで設定するのか。立地や物件の強み弱みを踏まえて戦略を練る。
  3. 物件の印象を整える
    空き家でも掃除や片付けで印象は大きく変わる。残置物があるだけで内見者の印象が下がり、値引き交渉につながる。
  4. タイミングを意識する
    松戸は春の転勤・入学シーズンに動きが活発。シーズンに合わせて売り出すことで短期成約につながることが多い。

情報を制する者が得をする

「隣の家よりうちの方が条件いいのに、なぜ売れない?」──松戸でもよくある話です。
答えはシンプルで、正しい相場情報と販売戦略を持っているかどうか
情報を制する者だけが、短期で・高値で売却を実現しています。

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必要書類と松戸での相談窓口

不動産の売却では「書類の準備不足」で足止めを食らうケースが少なくありません。

とくに相続空き家の売却では、相続登記が済んでいないために取引が進まない事例が松戸でもよく見られます。
スムーズに売却を進めるためには、事前に必要書類を整理しておくことが大切です。

売却に必要な主な書類

  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
    千葉地方法務局 松戸支局で取得。不動産の権利関係を確認するために必須。
  • 固定資産税納税通知書・評価証明書
    固定資産税額や課税評価額を確認する書類。売却時の精算や税金計算に必要。
  • 身分証明書・印鑑証明書
    売主の本人確認と契約締結に必須。
  • 土地測量図・境界確認書(あれば)
    境界が不明確だと売却が進まないため、可能なら早めに測量。
  • 建築確認済証・検査済証(建物がある場合)
    建築基準法に適合して建てられたことを示す重要書類。
    2000年以降の建物ではほぼ必須だが、古い物件では存在しないこともある。
    書類がないからといって即「違法建築」になるわけではないが、適法性を証明できないため金融機関の住宅ローンが通りにくくなったり、リフォームや建て替えの際に建築確認が降りにくくなる可能性がある。
  • 相続関連の書類(相続登記が必要な場合)
    戸籍謄本・遺産分割協議書など。司法書士の関与が必須。

👉 書類が揃っていないと契約が進まず、買い手が離れてしまうこともあります。

松戸での相談窓口

  • 松戸市役所(資産税課・都市計画課など)
    固定資産税評価額や都市計画道路の確認に活用。
  • 千葉地方法務局 松戸支局
    松戸市・流山市・鎌ケ谷市の不動産登記を担当。登記簿や公図の取得はここで行う。
  • 司法書士・税理士・不動産会社
    相続登記や税金計算は専門家に任せた方が確実。
  • 地元不動産会社(例:弊社まっとう)
    書類の段取りから売却戦略まで一括で相談できる窓口。

書類不足がもたらす行き止まり

「書類を探しているうちに買主が離れてしまった」──松戸でも実際にある失敗です。
とくに相続関係の書類は取り寄せに時間がかかり、「契約直前に必要なものがない」=取引ストップになりやすいのです。
売却を考えたら、まず書類の棚卸しから始めることが成功の第一歩です。

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まとめ

ここまで、松戸で空き家・実家を売却するときのポイントを5つの章に分けて解説してきました。

  1. 売却の3つの方法(仲介・買取・更地化)
  2. 媒介契約の種類(専属専任・専任・一般)
  3. 売却にかかる費用と税金(仲介手数料の特例/解体費用の現実相場/譲渡所得税)
  4. 松戸市の相場と売却成功のコツ(駅近と郊外の二極化・タイミングの重要性)
  5. 必要書類と相談窓口(相続登記や建築確認済証の有無・松戸支局の管轄)

👉 重要なのは「知識がないまま動くと損をする」という点です。


あとでやろう、は一番のリスクです。


空き家や実家の整理は、手を付けるのが遅れれば遅れるほど「資産価値が下がる・税金負担が増える・家族の負担が重くなる」という悪循環に陥ります。

松戸で20年以上空き家を見続けてきた経験からも、「動いた人」と「先送りした人」の差は歴然です。

👉 「どうしたらいいか迷っている」その段階で相談してください。
不動産の売却・整理は、最初の一歩が肝心です。

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