資産整理

不動産売買 契約から決済までの流れと注意点

ようやく買主が見つかって、売却価格も決まった。で、この後どうするんだっけ??

不動産の売買は、多くの人にとって人生でそう何度も経験するものではありません。

買主と合意した事項をきちんと書面(契約書)に落とし込み、決済を経て引き渡す──この一連の手続きがあって初めて「売却完了」となります。

不動産の契約書は意外とボリュームがあって、ペラッと1枚では終わりません。10ページ、20ページ…と読み進めていくうちに、「これって卒論?」と突っ込みたくなる分量になることもあります。

この記事では、不動産売買の 契約から決済までの流れ を時系列で整理し、各ステップで注意すべきポイントを解説します。
全体像を把握しておくことで、不安を減らし、トラブルを未然に防ぐことができます。


契約から決済までの全体像

不動産売買は、大きく分けると 「契約」→「準備」→「決済・引き渡し」 という3ステップで進んでいきます。

  • 売買契約の締結
     買主と売主が条件に合意し、契約書を交わす段階です。
     ここで支払条件や引き渡し日など、取引のルールを細かく決めます。
  • 契約後~決済までの準備
     契約したからといってゴールではありません。
     住宅ローンの手続きや登記書類の準備、税金や管理費の清算確認など、決済に向けた下準備が進みます。
  • 決済と引き渡し
     残代金の支払いと所有権移転、鍵の受け渡しが行われる日。
     この瞬間に「名義」と「お金」が同時に動き、正式に売買が完了します。

この3ステップの中に、細かなチェック項目やトラブル予防策が潜んでいます。
順番に見ていきましょう。


1. 売買契約の締結

ようやく条件がまとまり、売主と買主が握手──そのタイミングで登場するのが「売買契約」です。

契約時の主な流れ

  • 契約書への署名・押印
  • 手付金の授受
  • 宅建士による重要事項説明

このとき、売主と買主が初めて顔を合わせることも多いです。
といっても、仲介会社が間に入るので、がっつり話し込むというよりは形式的な挨拶程度。
でも「相手の顔が見える」ことで安心感が出るのは確かです。

遠方のケースだと持ち回り契約や電子契約になることもあって、「結局一度も相手に会わなかった」なんてこともあります。家を売ったのに、人には会ってないって不思議な感覚ですよね。

ここでのポイントは、「内容を理解したうえでサインすること」。
…と言っても、専門用語だらけで頭に入ってこないんですよね。

根抵当権?43条但し書き?これ呪文?!

初めての人は、こんな感じで混乱してしまうかもしれません。

でも、そこで「まあいいか」と流すのは危険。
分からない言葉があれば、その場で必ず質問しておきましょう。

注意点

  • 手付金:解約手付・違約手付など種類と返金条件を理解しておく
  • ローン特約:融資が通らなかった場合に契約解除できるかを必ず確認
  • 不明点はその場で質問:「あとで調べよう」は一番危ないパターンです

2. 契約後~決済までの準備

契約を結んだ瞬間に「やれやれ、これでひと安心」と思いたくなりますが…実はここからが本番です。
決済日までにやることを怠ると、「決済日なのに手続きが進まない!」なんて大騒ぎになるケースもあります。

主な準備内容

  • 買主側:住宅ローンの本審査を受け、承認が下りるかどうかを確認
  • 売主側:抵当権の抹消、登記識別情報(権利証)の確認
  • 双方:固定資産税や管理費などの清算金額を算出(日割り計算)
  • 司法書士:登記内容の確認、決済当日の段取り調整

ちょっと笑える実例

契約は無事済んだのに、いざ決済日が近づいたら

“印鑑証明の期限切れ”で書類が使えない!

…なんてこともあります。印鑑証明は3か月以内が有効期限。油断するとこれだけで決済が延期されることも。

注意点

  • ローン特約の確認:融資承認が下りなかった場合に契約解除できるかどうか、必ず確認しておく
  • 書類の有効期限:印鑑証明などは期限切れに注意。直前に取り直すケースもある
  • 税金や管理費の清算:引き渡し日を基準に日割りで計算するのが一般的
    例:固定資産税やマンション管理費は「その年のどこまでを売主が負担し、どこからを買主が負担するか」を日割りで割り振ります。
  • 清算金額の決定時期:直前まで放置すると、決済日にみんなで電卓を叩く羽目に

3. 決済と引き渡し

いよいよクライマックス、決済と引き渡しの日です。
銀行の会議室などに、売主・買主・司法書士・金融機関担当者・仲介業者が一堂に会します。
ここで「お金」と「名義」と「鍵」が同時に動いて、取引が正式に完了します。

当日の流れ

  1. 司法書士による登記関係書類の確認
  2. 買主から売主へ残代金の支払い
  3. 固定資産税や管理費などの精算
  4. 鍵の引き渡し
  5. 司法書士による所有権移転登記の申請

ちょっと笑える実例

決済当日に「え、鍵が見つからない!」と売主が大慌て──なんてことも。
普段使っていない勝手口の鍵や、ポストの鍵も忘れずに用意しておきましょう。

注意点

  • 残置物の確認:家具や荷物が残っていると、その場で揉めることもある
  • 抵当権の抹消:同時に抹消されているか必ず確認する
  • 支払いの最終チェック:振込額や名義に誤りがないか念入りに確認
  • 司法書士の立会い:名義変更(登記)が確実に行われるか、司法書士が最後の砦

まとめ

不動産売買は「契約したら終わり」ではありません。

  • 契約書を交わす
  • 決済に向けて準備する
  • 決済と引き渡しを行う

この一連のステップを経て、初めて売買が完了します。

それぞれの段階で注意すべきポイントやトラブルの芽がありますが、流れを知っておくだけでも安心感が違います。


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ご相談ください

不動産の契約や決済は、多くの方にとって初めての経験です。
契約書のボリュームに圧倒されたり、専門用語に戸惑ったりするのは当然のこと。
「分からないまま進んでしまう」ことが、後々の後悔やトラブルの原因になります。

松戸で不動産売却や購入を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
実務の流れを踏まえて、安心して取引を進められるようサポートいたします。

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