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マンションの建て替え、現実はどうなの?データとグラフで読み解く「できる・できない」の境界線

もし、あなたが古くなった分譲マンションに住んでいたら、こんなふうに考えたことはありませんか?

いざとなったら建て替えればいい

自分が住んでるうちは大丈夫だろうけど、修繕が限界になったら新しくすればいい

でも実は…

「マンションの建て替え」って、ほとんど現実的じゃないのです。


✅マンションの建て替えは進んでいる?

国土交通省が公表しているデータをご覧ください。

〇マンションの建替えの実績は累計で297件(約24,000戸)(2024年4月1日時点)。近年は、マンション建替円滑化
法による建替えが選択されているケースが多い。

〇マンション建替円滑化法にもとづくマンション敷地売却等の実績は累計で11件(約700戸)(2024年4月1日時点)

一見すると、

年々着実に増えているじゃないか。これなら大丈夫そうだね・・・

と思うかもしれませんが、これは「そう思わせるように仕向けている示し方」なので注意が必要です。

年々増えているのは当たり前です。
だって、”累計(過去の実績+新たな実績)”なんだから。

また、「2023年末で、マンションストック総数は約704.3万戸あり、築40年以上のマンションは約136.9万戸存在する。(国土交通省)」とのこと。

ここから考えると、建て替えは、ほとんど進んでいない、というのが現実です。


💸建て替えにはいくらかかる?

次に、建て替えのコストを見てみましょう。

(実際には足りなそうですが)仮に、70㎡のマンション1戸あたりの建築費が約2,000万円だった場合、60戸のマンションでは…

💰 2,000万円 × 60戸 = 約12億円

この金額を、管理組合と住民の合意でどうやって集めるのか?
さらに、所有者の5分の4以上の合意がなければ建て替えはできません。


🔗修繕もままならないマンションも

建て替えが難しいから「じゃあ修繕しながら長く住もう」と思っても、
そもそも修繕積立金が足りていないマンションも少なくありません。

修繕積立金が足りない…どう備えるべき?

将来に向けて備えておくべき課題は、思ったよりも多いのです。


🔚 まとめ:建て替えは「幻想」に近い

  • 💥 建て替えは「やろうと思えばできる」ものではない
  • 💥 法的にも金銭的にもハードルが高い
  • 💥 合意形成が極めて困難(特に高齢住民が多い物件では)

🧭 「うちはいざとなったら建て替えればいい」は、もはや幻想です。


🔜 次回予告(後編)

後編では、実際に建て替えに成功したマンションの共通点と、
**なぜほとんどのマンションではそれが不可能なのか?**を、事例を交えて深掘りしていきます。

👉 【後編はこちら】
「マンション建て替えの成功条件と、9割が当てはまらない現実」

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