無名の会社を知ってもらうために
会社員時代は、いわゆる大企業に勤めていました。
テレビなどのメディアでCMも流しており、プロスポーツのオーナー会社でもあるので、初対面の相手でも、勤務先の名前を名乗れば、たいていはすぐにわかってもらえました。
会社の看板が、自分に一定の信用を与えてくれていたのです。
ところが、独立してみると状況は一変。
当然のことながら、起業したばかりの私の会社など、まったくの無名。
「株式会社まっとう」と名乗っても、
「え? なっとう?」
と聞き返されることもしばしば(笑)。
運よく会社名が伝わったとしても、
今度は「で、一体何の会社?」という反応です。
もし「〇〇不動産」という会社名であれば、
「あぁ、不動産の会社なのね」とすぐにわかってもらえたのでしょうが。
さらに、
「まっとうって、自分が”まとも”ってこと?」
と聞かれることも実にあります。
最初のうちは、「いやいや、実は『まっとう』という名前には…」と説明していましたが、そのうちキリがないと思い始めました。
なので最近では、
「はい! いつか自分もまともな人間になりたいなぁ、なんて思いまして…」
と返すことも(笑)。
こうして現実に直面し、カイシャのカンバンの偉大さを、今さらながらに実感するわけです。
いくら「ウチは他とはここが違うんです!」と思ったところで、そもそも会社の存在を知られていなければ、相談していただく機会すらありません。
信用どころか、認知度ゼロ。
少年Aならぬ、”オジサンA”でしかありません。
そこで、少しでも会社を知ってもらおうと、さまざまな取り組みをしてきました。
チラシを作って配ったり、自社サイトを立ち上げてネット広告を出したり、まちゼミに参加したり。
もちろん、どれも身銭を切ってのことです。
大手企業のように、潤沢な広告予算があるわけではありません。
テレビCMなんて、まず無理。
有名なタレントに広告塔になってもらうなんぞ、もってのほかです。
限られた資金で、どうすれば自分の会社を知ってもらえるのか。
そんなことを日々考えていました。
偶然見つけたオーディション広告
ある日、ネットのポータルサイトで、旅番組のナレーターを募集するオーディション広告が目に留まりました。
なんとな~く名前を聞いたことがある芸能関係の会社が実施しているものでした。
(テレビを観ない私が知ってるくらいだから、きっと大手の事務所なのだろう。)
それまで、芸能界とはまったく縁のない人生を送ってきました。
ただ、これまで、声や雰囲気が「アナウンサーっぽい」と言われたことが何度かあります。
それをふと思い出し、
これ、もしかしたら運命じゃね(?)
↓
オレならホントに選ばれちゃうんじゃね(?)
↓
不動産会社の経営者が、テレビでナレーションをやるって面白くね(?)
↓
会社の認知度もアップしちゃうんじゃね(?)
↓
どうしよう!?もし有名になり過ぎちゃったら…
なんて勝手な妄想が膨らみつつ、軽~い気持ちで応募してみることにしました。
まさかの一次審査通過
しばらくすると、一次審査の知らせが届きました。
なんと、書類・写真選考を通過したではありませんか。
ま、マジかー
正直、少し驚きました。
しかも、立派な賞状まで付いています。
次のオーディション会場は、都内某所にあるその芸能事務所の拠点。
なんかワクワクする~。
そして、会場の建物内で、なんと本物の舘ひろしさんに遭遇!
し、渋い…。顔面偏差値も、脚の長さも、完敗…^^;
さて、52歳にして、人生初の芸能オーディション。
銀行融資の審査を受けたことはあれど、芸能の審査はまったく別世界でした。
オーディションでは、自分なりにできることはやったつもりです。
結果について過度な期待はしていませんでしたが、初めての経験としては十分に楽しめました。
私の座右の銘の1つでもある
「やってみなわからん!やったことしか残らん!」の実践ですね。
そして、合格通知が届いた

数日後。
速達で届いた封筒には、なんと「合格証書」が。
合格通知には、審査結果や今後の案内が記されていました。
さて、ここからが今回のお話の本題です。
合格したことで、いったい何が得られるのか。
届いた資料を読み進めていくうちに、経営者として、あることが気になり始めました。
それは、「誰が、誰に、何の対価を支払うビジネスなのか」ということ。
――続く。
